歯列矯正に用いる装置の名前:アーチワイヤー
歯列矯正治療では,歯に弱い力を加えることで歯を支える組織に変化を促し,歯を動かしていきます.歯列矯正で歯に力を加え歯を動かす動力源となるものがアーチワイヤーの「たわみ」や「捻じれ」です.
アーチワイヤーの形態によって,歯列弓は変化をしていきます.したがって,アーチワイヤーの形態が歯列矯正治療により綺麗な歯並びをつくり,良く咬めるかみ合わせをつくっていく鍵となります.
このアーチワイヤーを患者さんに合わせて,曲げていくのがスタンダードエッジワイズテクニック,平均値を利用した既製のアーチワイヤーを用いて治療を進めていくのがストレートワイヤーテクニックです.
スタンダードエッジワイズテクニックでは,アーチワイヤーに様々な「曲げ:ベンド」を組み込んでいきます.また,ワイヤーは断面が円形の「ラウンドワイヤー」と断面が長方形の「レクトアンギュラーワイヤー」を治療のステージに合わせて用います.
アーチワイヤーに組み込むベンドの種類には,
1.ファーストオーダーベンド(ワイヤー水平面での内側・外側への曲げ)
2.セカンドオーダーベンド(ワイヤー垂直面での歯軸に傾斜を与えるための曲げ)
3.サードオーダーベンド(ワイヤー軸面に対する回転を与え歯にトルクを加えるための曲げ)
に分かれます.
スタンダードエッジワイズテクニックでは,術者(矯正歯科医)の手によってワイヤーが屈曲できるような素材(ステンレススチール,コバルトクロム合金など)が用いられます.
ストレートワイヤーテクニックでは,アーチフォームが既製のワイヤーとなるため屈曲が必要なく,永久変形を起こしにくい素材(ニッケルチタン合金)などが用いられます.
審美的なワイヤーとして,白く塗装されたワイヤーやガラス繊維で出来たワイヤーも販売されています.白く塗装されたワイヤーは,装置装着時は白いものの,治療期間中に塗装が剥がれより不潔なイメージになってしまうのであまり普及していない.ガラス繊維のワイヤーは,透明で変色も軽度であるがワイヤーに求められる弾性やたわみが不十分で術者としては非常に使いづらく,十分な治療結果を出すことも困難なレベルの材質です.