歯列矯正治療のテクニック:スタンダードエッジワイズテクニック
スタンダードエッジワイズテクニックとは,現代の主流であるエッジワイズテクニックのオリジナルに忠実なテクニックです.エッジワイズテクニックでは,歯の三次元的なコントロールをするためにブラケットのスロットに直方体の溝としました.そのスロットに断面が長方形のレクトワイヤーを歯列弓形態に屈曲し,装着することで歯の3次元的なコントロールを可能としています.
しかし,時代とともにエッジワイズテクニックは変化し,現代の主流はエッジワイズテクニックから派生したストレートワイヤーテクニックとなっています.ストレートワイヤーテクニックでは,ブラケットにトルクやアンギュレーションの平均値を組み込むことに比べ,スタンダードエッジワイズテクニックではブラケットにトルクやアンギュレーションが0°で使用します.
したがって,スタンダードエッジワイズテクニックではトルクやアンギュレーションを術者がアーチワイヤーに組み込んでいかなくてはなりません.
また,歯列弓の形態を形作るアーチワイヤーもストレートワイヤーテクニックでは既製のアーチフォームワイヤー(すでに平均値に合わせて作成されたアーチワイヤー)を使うのに比べ,スタンダードエッジワイズテクニックでは患者さんの顎の形に合わせて,医師が診療の度に曲げていきます.
そのため,平均値にとらわれることなく,患者さんの歯一本一本を術者(矯正歯科医)が細かいところまで調整することが可能です.しかし,ワイヤーの調整に時間がかかることや,術者のテクニックの成熟度が治療結果に表れてしまうため,スタンダードエッジワイズテクニックを医師が習熟するまでに時間がかかってしまう欠点があります.
歯列矯正のテクニックをスーツ作りにたとえるなら,ストレートワイヤーテクニックは平均値に合わせて大量生産の既製スーツ,スタンダードエッジワイズテクニックはフルオーダーメイドの手作りスーツと言えるでしょう.